【モザイクの天使】レビュー|6年ぶりに帰ってきたFrillが描く、少女の救済と欲望の物語

「やっぱりFrillはFrillだった。」

そんな懐かしさと、新たな魅力を同時に感じさせてくれた作品が『モザイクの天使』です。

6年ぶりとなる完全新作というだけで期待値はかなり高かったのですが、実際にプレイしてみると、AV撮影という背徳的な題材を扱いながらも、中心にあるのは一人の少女を救うための物語。刺激的なシーンだけでは終わらない、シナリオ重視の作品に仕上がっていました。

もちろんFrillらしい過激な展開や濃厚なHシーンも健在。だからこそ、ヒロインたちが見せる心情の変化や成長がより印象深く映ります。

今回は『モザイクの天使』の魅力を、ストーリー・キャラクター・Hシーンの3つの視点から紹介していきます。

 画力 
 ハード度 
 ラブ度 
★★★★★
★
★★★★
抜き度シナリオブラウザ対応
★★★★★
★★★★
–
エロゲ名モザイクの天使
ジャンルADV
原画武藤此史 
秋野すばる
ブランドFrill
価格5,940円
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目次

家出少女・灯夏が歩む救済の物語に惹き込まれる

物語は、個撮AVサークルを運営する主人公・比良木終が、家出少女「伊吹灯夏」と出会うところから始まります。

「私を、お金に換えて」

衝撃的な一言から幕を開ける本作ですが、実際に読み進めると単なるダーク作品ではありません。生活のために覚悟を決めたはずなのに、いざ撮影となると恐怖で震えてしまう灯夏。その等身大の姿が非常にリアルで、序盤から自然と感情移入させられました。

一周目では、彼女を救うために主人公や周囲の人物たちが少しずつ前へ進んでいく展開が心地よく、先の読める王道の流れでありながら読後感は非常に爽やか。特に主人公が覚悟を決めて立ち向かう場面は胸が熱く、Frill作品としては珍しく「救われた」という感覚を強く味わえました。

一方で二周目以降は、灯夏の過去や家族、物語の裏側が次々と明かされ、作品全体の空気は一気に重くなっていきます。衝撃的な事実や刺激の強い展開は確かにFrillらしいものの、個人的には一周目の優しい雰囲気のまま物語を締めてほしかったという気持ちも残りました。

それでもルートごとに異なる結末が丁寧に用意されており、胸が締め付けられるエンドから救済色の強いハッピーエンドまで楽しめる構成は見応え十分。単なる抜きゲーでは終わらないシナリオ作品として、高い完成度を感じました。

真のヒロインは葉瑠だった 優しさが胸を打つ最高の存在

本作で一番印象に残ったキャラクターを挙げるなら、迷わず葉瑠です。

プレイ前はサブヒロイン程度の立ち位置だと思っていましたが、実際には物語全体を支える存在と言っても過言ではありません。

主人公が何も持たなかった頃から変わらず寄り添い続け、自分より相手の幸せを願える彼女の優しさには何度も心を動かされました。派手なイベントや劇的な展開ではなく、何気ない言葉や行動一つひとつが積み重なって、「こんな女性を幸せにしなくてどうする」と自然に思わせてくれるヒロインです。

対照的にメインヒロインである灯夏は、ルートが進むほど壮絶な過去や複雑な事情が明かされていきます。そのドラマ性は見応えがありますが、終盤は刺激的な展開が続くため、人によっては少し重すぎると感じるかもしれません。

むしろ葉瑠ルートでは灯夏自身も穏やかな未来へ進んでいく姿が描かれており、この関係性こそ全員が幸せになれる結末だったようにも思えました。

ヒロイン同士の関係も非常に魅力的で、支え合いながら未来へ進もうとする姿には思わず涙ぐむ場面も。Frill作品でここまで純粋に恋愛ドラマを楽しめるとは予想しておらず、大きな嬉しい誤算だったと言えます。

Hシーンは実用性も高水準。シナリオ派も抜きゲー派も満足できる一本

シナリオが評価されがちな作品ですが、Hシーンの完成度もしっかり高いです。

AV撮影という設定を活かしたシチュエーションが多く、羞恥や背徳感を上手く演出しながらも、ヒロインを必要以上に消費するような描写が少ないのは好印象でした。調教作品にありがちな「育てたヒロインを他人へ渡す」ような展開を避けているため、ヒロインへの愛着を持ったまま最後までプレイできます。

武藤此史氏が描くヒロインたちは非常に可愛らしく、アニメーションや演出も相まって没入感は十分。バルーン演出やリアクションもFrillらしい色気があり、シリーズファンなら思わず懐かしさを感じるでしょう。

一方で、エンディング数が非常に多く、選択肢までスキップできない仕様のため、コンプリートを目指す場合はやや根気が必要です。こまめなセーブはほぼ必須と言えるでしょう。

総合すると、『モザイクの天使』は「泣ける」と「抜ける」をしっかり両立した良作でした。ストーリーの後半は賛否が分かれる部分もありますが、それでも葉瑠という最高のヒロインに出会えただけでもプレイする価値があります。

6年もの沈黙を破って帰ってきたFrill。その復活作として十分満足できる内容であり、これから再び新作を届けてくれることへの期待も大きく膨らむ一本でした。

まとめ

『モザイクの天使』は、AV撮影という刺激的なテーマを扱いながらも、その本質は少女たちの救済と再生を描いたヒューマンドラマでした。

ルートによって重苦しい展開もありますが、その先に待つ希望や、葉瑠という最高のヒロインの存在が作品全体を温かく包み込んでいます。シナリオ重視派も、Hシーン重視派も楽しめるバランスの良さは、まさにFrillらしい魅力と言えるでしょう。

シリーズファンはもちろん、Frill作品を初めて遊ぶ人にもおすすめできる一本です。

エロゲ名モザイクの天使
ジャンルADV
原画武藤此史 
秋野すばる
ブランドFrill
価格5,940円
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